課題をPDFで提出したいです.
デルタ関数がフーリエ変換に関連して出てくるらしいですが,いつこれを厳密に扱えるようになるか気になります.
有限群上のフーリエ変換というものを聞いたことがありますが,それはどんなものですか?
リーマン可積分な関数に対してフーリエ係数を定義しましたが,可積分でないものに対してはどのように定義するかが気になります.
関数 $f$ の定義域が $[-\pi,\pi]$ に限定されていますが,これは必要な仮定なのでしょうか?
有限区間 $[a,b]$ でもまったく同じように理論が展開できます.変数変換
$$ y=2\pi(x-a)/(b-a)-\pi $$
を考えて,区間 $[-\pi,\pi]$ に対する理論に帰着させればよいです.
定義域が有界でなく,例えば $\mathbb{R}$ などの場合,理論の様子が変わってきます.これについては第4Qで少し扱います.
FFT(高速フーリエ変換)に興味があります.
関数を三角関数の和で近似できるのはよいけど,そのために $\int_{-\pi}^{\pi}f(x)\cos nx\, dx$ などの積分を計算するとなると,それはそれで大変という気がしました.
黒板に書く日本語の量が多いように感じます.数式やキーポイントだけを板書し,他は口頭で説明した方がよいと個人的には思います.
区間 $[-\pi,\pi]$ 上の関数 $f$ で有限個の点でだけゼロでない値を取るものは,フーリエ級数が恒等的にゼロになってしまいます(フーリエ係数がすべてゼロであるため).そのため $f$ がゼロでない値を取る点でフーリエ級数と $f$ は一致しません.このような場合でも,係数をフーリエ係数とは異なるものに適切に取り替えて,$f$ を三角級数の各点収束極限として表すことはできるのでしょうか?
「区分的に$C^k$級でない」ことの証明が結構大変だった.
区分的に$C^k$級の定義に現れる右側極限・左側極限は有限でないといけませんか?
区分的に$C^k$級の定義を,単に「$f$ の開区間 $(a_i,a_{i+1})$ への制限が各 $i$ に対して$C^k$級である」としてはいけないのですか?そうすれば右側極限・左側極限の話をしなくて済むように思います.
区分的に$C^2$級でない連続関数として,Weierstrass関数
$$ w(x)=\sum_{n=0}^{\infty}\frac{\pi}{2^n}\cos(13^n \pi x) $$
というものがあることを知りました.これはフーリエ級数の形で定義できていることから,必ずしも区分的に$C^2$級でなくてもフーリエ級数展開できる場合があるのだと思います.一般に $f\in C(\mathbb{T})$ でありさえすれば,証明は大変かもしれませんが,フーリエ級数展開はできるものなのですか?
めちゃくちゃいい質問ですね.実は $f\in C(\mathbb{T})$ だけではダメです.例えば原点 $x=0$ でフーリエ級数が無限大に発散するような $f\in C(\mathbb{T})$ を作ることができます(Du Bois Reymondが示した定理で,参考書のどこかに書いてあります).連続関数って意外とハチャメチャなやつもいるんですよね〜.
でも実は $f\in C(\mathbb{T})$ でありさえすれば三角多項式でいくらでも近似できます(§3で示します).つまり適当な複素数 $\{ c_{n}^{(N)} \}_{n=-N}^{N}$ に対して,三角多項式
$$ p_N(x)=\sum_{n=-N}^{N}c_{n}^{(N)}e^{inx} $$
が $n\to \infty$ で $f$ に一様収束するようにできます.フーリエ級数をちょっと改造するのですが,そのせいで係数 $c_{n}^{(N)}$ が $N$ に依存しちゃいます(フーリエ級数は $c_n=\hat{f}(n)$ に対応し,$N$ に依存しません).
講義では $f$ のフーリエ級数が絶対収束するための十分条件として $f\in C(\mathbb{T})$ かつ区分的に$C^2$級であることを示しましたが,$f\in C(\mathbb{T})$ かつ区分的に$C^1$級でも十分です(証明はそれほど簡単ではないです).さらに弱めることもできますが,まあちょっとマニアックになってきます.いずれにせよ $f\in C(\mathbb{T})$ までは弱められません.
フーリエ変換は関数 $f=f(x)$ を別の関数 $\hat{f}=\hat{f}(n)$ に移す写像です.講義では定義域と値域は気にせず議論をしましたが,そこがよく分からなかったのでしょうか?例えば
$$ \begin{gather*} \mathcal{F}\colon \{ f\colon \mathbb{T}\to \mathbb{R} \mid \text{$f$ はリーマン可積分} \} \to \{ g \colon \mathbb{Z}\to \mathbb{C} \}, \\ \mathcal{F}(f)\coloneqq \hat{f} \end{gather*} $$
のように定義域と値域を定めればよいです.写像 $\mathcal{F}$ がフーリエ変換です.