自分のために書いていますが,舞台裏(?)を覗いてもらうのもよいかも,と思って公開しています.
第1回
講義ガイダンス(参考書,成績評価など)と講義の内容のイントロ.講義ガイダンスはスライドを用いて行い,イントロは黒板で.講義でスライドを使ったことはほとんどなかったけど,講義始めの復習や予告などはスライドを使ってやってもいいかもしれない(板書だと時間が取られすぎるので).
イントロでは「フーリエ級数とは何か」と「なぜフーリエ級数を学ぶとよいのか」という話をした:
- フーリエ級数の導入は単刀直入に「世の中には複雑な関数がたくさんあって大変だけど,実はどんな関数も三角関数という性質のよい関数の和でいくらでもよく近似できる」という主張を述べた.
- 熱方程式や波動方程式の変数分離法による解法から始めるのもよくある方法だけど,熱方程式の導出に時間がかかって「数学なのになんか物理やってら…」という感じから講義が始まるのはちょっと嫌だった.偏微分方程式に触れたことがあれば話は別だけど,常微分方程式の講義もまだなので.熱方程式の話題は当然避けられないので,最初の収束定理の証明をやったあと,息抜きも兼ねて取り上げようと思う.
- 上記の主張がまんざらウソでもなさそうなことを実例を見せてデモンストレーション.テント写像と鋸波関数が三角多項式で近似される様子をスライドで見せた.百聞は一見にしかずというやつ.
- フーリエの主張が逆に全然当たり前のことでないということは,テイラー展開との比較で少し説明した.
- フーリエ級数の係数をどう求めるかという話をするために,三角関数の直交性を命題として述べた.後で関数解析との関連について触れるための短い伏線でもある.
- フーリエ級数を学ぶ理由としては「幅広い応用」と「今後の勉強のためのモチベーション作り」の2つを挙げた.物理・工学・数学への応用例を挙げると共に,ルベーグ積分や関数解析との関連について軽く触れた.
複素数は知っていると思うけど,複素指数関数 $e^{ix}$ は知らない可能性があるので手短に説明する必要がある.予定通りではあるが途中で時間切れ.
工夫したこと:
- スライドを使ったデモや小道具を利用して,講義が単調にならないように気をつけた(眠くなるので).
- これまた集中力を維持するために,受講生にちょくちょく質問するようにしてみた.しかし皆さんまだまだ様子見という感じだった.めげずにやっていく.声を上げるのはハードルが高いかもしれないので,今度は挙手で答えられるようなものも用意するとよいかも?
反省点:
- T2SCHOLAの操作ミスでアナウンスメントが送れていなかったことに講義後に気づいた.まあとくに影響はなかったのでよかった.教えてくれた方に感謝.
第2回
最初に前回の復習と今回の内容をスライドで提示しようと思ったけど,上手く接続できず断念.講義が始まるのが数分遅れてしまった.
まず複素指数関数について手短かに説明し,それから周期関数に関する注意を述べた.フーリエ級数は周期関数を対象にするということを述べたが,初回のイントロで説明しておけばよかったかも.ちょっと後出し感… 記号 $f\colon \mathbb{T}\to \mathbb{R}$ を導入したが,ちゃんと伝わっているかちょっと不安.繰り返し説明してどうにか慣れてもらおう.商空間の概念はもう習っているのだろうか?
ようやく準備を終えて,フーリエ級数の具体例を1つ計算した.まずはテント写像.次回示す命題の証明を意識して,部分積分の境界項が消えることを強調した.
今回はいま振り返ってみてもよく分からないくらい進まなかった.なんで?途中でソフトボール大会の負け惜しみを長々としゃべったりしたからか?まあでもちょっとくらい雑談がないと飽きて眠くなるし,仕方なし🍐あと,初回の提出課題の感想などが非常に参考になった.皆さんありがとうございます.今後ともよろしくお願いします🙇
第3回