まず $C=\sup_{x\in \mathbb{R}}|u_{0}'(x)|$ とおき,$T=1/(2C)>0$ と定める.このとき $(x,t)\in \mathbb{R}\times [0,T]$ に対して
$$ \begin{equation} x=u_0(y)t+y \end{equation} $$
を満たす $y\in \mathbb{R}$ が一意的に定まることを示そう.そのために1変数関数
$$ \mathbb{R}\ni y\mapsto f(y)=u_0(y)t+y\in \mathbb{R} $$
を考える.このとき不等式
$$ -C|y|+u_0(0)\leq u_0(y)=\int_{0}^{y}u_{0}'(z)\, dx+u_0(0)\leq C|y|+u_0(0) $$
より
$$ \begin{aligned} -|y|/2-|u_0(0)|T+y & =-C|y|T-|u_0(0)|T+y \\ & \leq f(y) \\ & \leq C|y|T+|u_0(0)|T+y=|y|/2+|u_0(0)|T+y \end{aligned} $$
が成り立ち,とくに
$$ \lim_{y\to \pm \infty}f(y)=\pm \infty $$
が成り立つ.従って中間値の定理より (1) を満たす $y$ が少なくとも1つ存在する.また
$$ \frac{d}{dy}f(y)=u_{0}'(y)t+1\geq -CT+1=1/2>0 $$
であるから,$f$ は単調増大である.よって (1) を満たす $y$ は1つしか存在しない. さて (1) を満たす $y$ を $y(x,t)$ と表すと,これは関数
$$ F(x,t,y)=x-u_0(y)t-y $$
の零点である.また
$$ \partial_y F(x,t,y)=-u_{0}'(y)t-1\neq 0 $$
が成り立つことから,陰関数定理より $y(x,t)$ は $x,t$ に関し $C^1$級である.そこで等式
$$ F(x,t,y(x,t))=x-u_0(y(x,t))t-y(x,t)=0 $$
を $x,t$ について偏微分すると
$$ 1-u_{0}'(y(x,t))y_x(x,t)t-y_x(x,t)=0 $$